投稿

2月, 2022の投稿を表示しています

常連

今年4月、家から徒歩1分のところにラーメン屋ができた。 店主一人。カウンターの4席のみ。まあ狭い。 時期を同じくして引きこもり生活が始まった。 引きこもりとラーメンの相性はいい。 いつしかそのラーメン屋に2、3日に一回は通うようになっていた。 2021年はおそらく30回以上は来店しただろう。 4月から通い始めて7カ月ほど経ったある日、「毎度ありがとうございます」と 言われるようになった。 うれしかった。 引きこもりの凍えた心を解かしてくれた。 それから3カ月ほどたった今週。 来店してメニューを見ていると、「お客さん、常連さんなんで裏メニューあるんすけど 食べますか」と店主から声をかけられた。 千円札しか持っていなかったので食い逃げの不安に駆られたが、 値段を聞くと通常メニューと変わらなかった。 安心してひとまずそれを頼んだ。 常連として認知された高揚感を胸にラーメンを待つ。 出てきたのは白いスープのラーメン。 ベースは鳥白湯だそうだ。 レンゲですくう。 分かる人には分かると思うが、池袋のラーメン屋「鶏の穴」に近い味だった。 この頃の老いた体には胸やけが苦しい。 が、具の一つである大根は、斬新かつ煮干しの出汁がきいてておいしかった。 気が付くとすでに平らげていた。 店主に味の感想を伝えた。 「おいしかったです」と伝えた時の店主のアンパンマンみたいな顔が面白かった。 人が喜ぶ顔を見るのは気分がいい。 「また来ます」と伝えて店を後にした。